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リファレンス

イオナイザの正しい理解

ポイント1. 除電器(イオナイザ)からも静電気が発生する。

除電器(イオナイザ)で品質の悪いイオンをかけると、静電気が発生します。
品質の悪いイオンとは、イオンバランスの悪いイオンの事です。
除電器による静電気は実際、大なり小なり発生している現象ですが、一般的にはよく知られていません。


 

1) パルス方式除電器(イオナイザ)のイオンバランス

ACパルス方式、DCパルス方式除電器(イオナイザ)では±500Vの脈動が発生します。
脆弱な電子機器や半導体を除電するには、パルス方式は危険と言えるでしょう。
 

2) 直流(DC)方式除電器(イオナイザ)のイオンバランス

直流(DC)方式の除電器(イオナイザ)は、ACパルス方式のよう変化や脈動は起こりません。
だだし、イオンバランスは場所により変化しやすいため、適切な場所で用いれば、±1~3V程度に低くすることができます。
脆弱な電子機器や半導体を除電するにはDC方式が向いているといえるでしょう。
TRINCのイオンエンジン方式は、直流(DC)方式を進化させたもので
小惑星探査衛星「はやぶさ」の主推進エンジンと同じ原理で動作します。

 

ポイント2. 除電器(イオナイザ)が半導体を破壊する?

1) イオンバランスの脈動には注意!

ACパルス方式除電器、DCパルス方式除電器はプラス、マイナスのイオンを30Hz程度でゆっくり切り替える方式です。
対象物にプラス、マイナスのイオンが次々と降りかかるため、イオンバランスの脈動が大きい欠点があります。
除電器業界では「スイングが大きい」といわれ嫌っています。
ACパルス方式、DCパルス方式を使用したイオナイザーにはイオンバランスの脈動が±500Vもするものがあります。
この脈動により電子機器や半導体などを破壊する恐れがあり注意が必要です。



 

ポイント3. パルス方式除電器では永久に0Vにならない!?

1) ディケイタイム(減衰時間)

ACパルス方式除電器、DCパルス方式除電器は、イオンバランスが脈動を続けているので、
除電対象物も同様に永久に脈動を続け0Vにはならないのです。



 

ポイント4. イオナイザのメンテナンス

1) 放電針のメンテナンス

一般的な有漏電構造のイオナイザでは漏電が起きるため放電針を固定する絶縁体(プラスチック)が炭化して(焦げて)しまいます。
炭化した部分は簡単なブラッシングでは落とすことができず、専門業者に依頼して溶剤で洗浄してもらう必要があります。
TRINCのイオナイザーは無漏電構造なので、放電針周辺が炭化する事はありません。
TRINCのイオナイザーはワンタッチクリーナーがついているので清掃時間は一瞬(数秒)です。

また、AUTO(自動)クリーナを使えば放電針を自動的に清掃する事ができます。



 

ポイント5. やっぱり、1)無風除電、2)空間除電、3)無漏電構造

1) 無風除電

無風除電器は内部でコロナ放電をさせてイオンを作り、イオンと放電針との間に働く「クーロンの斥力」を用いてイオンを放射します。
風を使わずイオンを飛ばすので除電器からの異物の飛散はほとんどありません。
放電針に付着した異物も風による吹き出しがないので対象物に付くこともありません。
無風除電の最大のメリットは風を起こさないため机や周囲に鎮まっているホコリを舞い上げて環境を破壊することがない事です。

 

2) 空間除電

空間除電が出来る「空間トリンク」は広い空間に無風で空気イオンを飛翔させます。
プラスのイオンとマイナスのイオンが同じ量になるように制御されています、
空間除電している範囲の静電気はイオンによって「すべて」中和されて消滅してしまいます。
「すべて」と言うのは製品や部品の静電気はもちろんのこと、空間に浮遊するホコリの静電気も中和します。
一般的な除電器(イオナイザー)は、製品や部品の静電気を除去するのみで浮遊するホコリの静電気の除去(中和)はできませんでした。
ホコリが付着する現象は物体(製品や部品)の静電気とホコリの静電気が引き合って起きています。
ホコリの付着を防ぐには物体(製品や部品)とホコリ両方の静電気を除去する必要があります。
空間トリンクの「ホコリの静電気も中和する」という機能は、異物付着による不良を激減させることができるということです。
実際に異物不良が92%減少したと言いう例も上がっています。

 

3) 無漏電構造

電気工学の基本に「エアと高電圧は同居させてはならない」があります。
100Vの電源でもトラッキング現象(ホコリが付いて漏電が発生する現象)を恐れているのに、
数千ボルトの高圧を用いてイオンを発生させている除電器を霧を含みやすいエアと絶対に一緒にしてはいけません。
漏電を起こす事になります。
無漏電構造は危険な高電圧は別室に格納して、エア流路と隔離した構造です。
この構造を採用したTRINCの製品は従来、わずか1週間で壊れていた除電器の寿命を大幅に延ばし
「10年使ったが未だノートラブル」と言う記録を樹立しました。

 

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