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静電気とは

1-2 意外と古い静電気の歴史

意外と古い静電気の歴史



 

意外と古い静電気の歴史

静電気の歴史は古く、紀元前600年にさかのぼります。こちらの表で静電気の歴史を見ていきましょう。

 
時代 国・地域 人物 内容 参考
BC.600頃 ギリシャ

ターレス
琥珀(コハク)を布で擦るとモノを引き寄せる力が起こる事を発見
「琥珀を擦ると磁石になる。」と考えられた。
古代ギリシャの哲学者、ターレスの定理
16世紀 イタリア

ジェロラモ・カルダ
磁力と静電気の力との区別 医師、数学者、カルダンジョイント(自在継手)
16世紀 イギリス

ウィリアム・ギルバート
琥珀以外のモノを摩擦して、静電気を帯びるものと帯びないモノに区別した。
「エレクトロン」から、静電気の引力を「エレクトリケ」と名付けた。
医師、数学者、
「エレキ」の名前親の一人
versorium =小さな針が回転する検電器を発明
磁石論
16世紀 イギリス

トーマス・ブラウン
「エレクトリケ」を英語「エレクトリシティ」(electricity)と呼んだ 作家
17世紀 ドイツ

オットー・ゲーリケ
1672年、機械的に回転させた大きな硫黄玉を手で擦り当て、摩擦電気をおこす装置をつくった。
世界初の静電発電機(摩擦起電機) "Elektrisiermaschine"
貴族、マクデブルク市長
空気圧と真空の研究
18世紀 イギリス

ホークスビー
1709年、ゲーリッケの硫黄球をガラス球にかえて、火花放電、電気の引力、斥力の実験を行った ニュートンの助手
18世紀 イギリス

スティーブン・グレイ
1729年、電気をよく伝えるモノ(導体)とそうでないモノ(不導体)がある事を発見(電気伝導の発見)
グレイの死後、友人のジョン・デサグリエが"electrics(電気的性質)と"nonelectrics"(非電気的性質)の語を創造 (ただし、前者が不導体、後者が導体を意味する。)
染物屋、天文学
18世紀 フランス

シャルル・フランソワ・デュ・フェ
1732年、フランスのデュ・フェがイギリスのグレイを訪問し実験を見てフランスに帰国
電気には樹脂電気とガラス電気の2種類あると主張した。
同極(樹脂orガラス電気同士)に帯電した物体が反発し合い、異極(樹脂とガラス電気)に帯電した物体が引き合うことを発見した。 (グレイは物体の電気的性質がその色に関係すると主張したが、その誤解を解いた。)
フランスの化学者
パリ植物園の監督官
18世紀 オランダ

ファン・ミュッセンブルーク
1746年、静電気を貯める装置「ライデン瓶」を発明 ミュッセンブルークがオランダのライデン大学の教授であっため「ライデン瓶」と呼ばれる。 ドイツのフォンクラフトが数ヶ月前に独自に「ライデン瓶」と同じものを制作している。
18世紀 アメリカ

ベンジャミン・フランクリン
1752年、凧とライデン瓶を用いた実験を行い、雷が電気である事を証明した。 政治家、物理学者、気象学者
避雷針の発明
100ドル札紙幣
18世紀 イギリス

ジェシー・ラムスデン
1768年、ガラス円板と皮革を摩擦させて摩擦電気を起こす「ラムスデンの摩擦起電機」 数学者、企業家
18世紀 日本

平賀源内
1776年、「エレキテル」(摩擦起電器)の復元 高松藩 本草学者(漢方医学)、戯作者、画家、陶芸家、
発明家
エレキテルは見せ物や医療器として使われた。
後藤梨春(1702‐71)の紅毛談(オランダばなし)(1765)に「エレキテル」が紹介されている。
18世紀 フランス

シャルル オーギュスタン・ド・クーロン
1785年、「クーロンの法則」の発見。
電気を帯びた物体間に働く力は物体間の距離の2乗に逆比例する。
軍人、物理学者、土木技術者
18世紀 イタリア

ルイジ・ガルバーニ
1789年、カエルの解剖時のメスで振れると足が痙攣する事から研究を重ね「動物の身体自体が電気を発生させていて、金属が振れる事で放電して痙攣が生ずる」と考えた。
今までの静電気とは違う電気現象である事から「動物電気」(ガルバーニ電気)と名付けた。
医師、解剖学者 検電器(電流計:ガルバノメータ) ガルバーニ協会
18世紀 イタリア

アレッサンドロ・ボルタ
1791年頃、動物電気(ガルバーニ電気)の研究を始める。
カエルの身体に2種の金属の接触で電気が発生し電気が流れカエルの足を痙攣させたと考えた。
食塩水に浸した紙を2種類の金属で挟み電気の流れが生じる事を確かめた。
電気を発生させるために動物の身体は必要ない。(動物電気への反証)
1800年、ボルタの電池(ボルタの電堆)を発明(動電気:流れる電気)
自然哲学者(物理学者)
電位差の単位:ボルト(V)



 

静電気と雷

実は雷も静電気の一種です。雲の中の氷の粒子などが摩擦して静電気を起こし、その静電気の蓄えに限界を迎えると放電が起きる現象です。地表で大気が暖められるなどによって発生する上昇気流で、空気は雲に変化します。雲の中の水滴は上空にいくほど低温となるため、氷の粒子になります。その粒子同士がぶつかり合って摩擦することで、静電気が起きて帯電されます。雲の上層はプラス、下層はマイナスの電荷が蓄積され、雷雲が形成されるといいます。雲の上層と下層の電位差、または下層と地表の電位差が大きくなり、限界を超えると空気が絶縁破壊を起こします。すると、雷雲の中や地上に向けて放電を起こします。電子が放出され、放出された電子が空気中にある気体分子と衝突して分子を電離させることによりプラズマが発生し雷になるのです。静電気といえば、ドアノブに手を近づけた時に生まれる、小さな電気のイメージがありますが、雷は自然の生み出す大きな静電気なのです。
 
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静電気が原因の問題と解決事例
ホッパー内の材料が
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  更衣室での静電気による
毛髪付着がなくなった

 
 
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この記事を書いたのは
私たちTRINCは、異物・静電気対策の専業メーカーです。異物×静電気問題から解放された理想的なものづくり環境を構築するための独自技術で、現場で日々問題解決に取り組む方々を全力で支援します。 企業概要ページはこちら
 
監修
経歴
高柳 順
名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻卒(工学博士)。専門は量子工学・応用物理学。名古屋産業科学研究所研究員やアイシン精機(現アイシン)を経て、株式会社TRINC(トリンク)現社長。
 

 

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